小豆島の醤油の歴史は約400年を有し、温暖で乾燥した気候条件が醤油の発酵に適しているため、全国でも有数の生産地となりました。小豆島の最大の特徴は、昔ながらの木桶仕込みが多く残っている事です。現在、醤油の醸造はタンクにて短期間で工業的に作られ、大量生産されています。
木桶を使った本来あるべき醤油醸造は、醤油生産量の1%以下という由々しき状況にあります。実はその1%以下の木桶仕込みの大部分が、小豆島にて造られているのです。醤油、味噌、お酢、みりん、お酒の醸造業界で、現在使われている木桶は3,000〜4,000本と言われていますが、そのうちの1,000本以上が小豆島の醤油屋が使っているのです。
ではなぜ、木桶が醤油の醸造に適しているのでしょうか?醤油は発酵調味料です。微生物の発酵によって醸(かも)されます。タンクには微生物はいないので、培養した微生物を添加して発酵させます。しかし、目に見えない醤油を造る微生物たちは1種類ではありません。何十、いや何百種類の微生物たちがそれぞれに作用しながら、醤油を造ってくれます。それらの微生物が木桶には多く棲みついているのです。
それらの微生物が木桶には多く棲みついているのです。発酵調味料にとって、木桶は最高の醸造容器なのです。日本食の基礎調味料である「醤油」。その本物がここ小豆島で造られているのです。